初夏の夜

5月頃の日記
 
夜、私の部屋へ寝る前の母がやってきました。あまり遅い時間に私の部屋に来ることは無いのですが、たまになにか思いついたり、自分が書いている文章を見てほしいだとか、そういったことでやってきます。
下のさんぽ道にハコネウツギが今咲いていると言います。
ハコネウツギ?聞くと白い花が咲き、それが次第に淡紅色から紅色に変わるといいます。
さんぽ道かあと思って、聞いた2日後ぐらいに行ってみました。
散歩道のいったいどこなのかなあと思って歩いていくと、だいぶ歩いたところに咲いていました。でも、お花はちょっとしおれていて、あまり元気がありません。
考えてみれば、母が散歩に行くのは午前中の早い時間。私が行ったのは天気が良くて気温が上がった午後の一時頃。もうその頃の時間になると花はやわらかく弱ってしまうものなのかもしれません。
ハコネウツギというのに、別に箱根で有名というわけでもないらしいこの木。
ウツギというからには、木の中は空いているのかしら、と思ったのですが、
スイカズラの仲間でウツギ属の仲間ではないらしいので、枝の中がどうなっているやら。
 
ウツギといえば、雲雀山という能にちらっと言葉として出てきますが、特にメインというわけでもなく、今回のハコネウツギとも違います。とはいえ、ウツギという言葉の響きにつられて能 雲雀山を思い出しました。雲雀山は奈良の大麻寺関連の大麻曼荼羅縁起絵巻にも出てくる中将姫をめぐるお話。でもこの大麻曼荼羅と中将姫の話、あれこれバージョンがあったり、當麻曼荼羅縁起絵巻自体も、途中よくわからないなあと思うところがあったり。當麻曼荼羅もいくつかバージョンがあったり、私にとってはよくわからないというイメージが強いものなのです。しかも、雲雀山を一番最初に習ったときも、雲雀山大変だった・・というイメージがあります。そんなに重いものでも、長い話でもないのに。
だいぶ以前にとっても古い當麻曼荼羅を美術館で見てから気になっていた大麻寺。そこで、一昨年の夏に両親と一緒に行きました。
門前が綺麗に開けていてなかなか立派なお寺。中将姫にちなんだお祭りもあるようでした。
暑いさなか行って、一番印象に残ったのは東西の両塔。敷地の奥の方にあるのですが、足元まで行って見上げるとすっきりとした塔は美しく、来てよかったなと思うものでした。
 
奈良は好きで、機会を作っては日帰りで行ったり、泊まりで行ったり。特に南の方の飛鳥地方やそのもっと南の地方が好きで、そういうところへは泊りがけで出かけます。
今はこんな世の中になってしまったので、もう旅行にはずっと行けないのかもしれないなと思うと、また行って見てみたかったところなど、思い浮かべて、せめて関係する書物なりとも探して読もうと思っているところです。