カラーもばっちり

バカリズムさんの「架空OL日記」のドラマの方。

テレビ放送されていたものを最後の方だけみました。

感想をTwitterで書いている人の中で、一番「あっ」と思ったのが「独身時代を思い出す」というもの。

そうそう。今はどうなのかわからないけれど、あの頃、あの二十代のまだ前半から半ば頃のあの、甘いその日を、いつまでも続くとは思っていないけれど、とりあえず今日は平気で過ぎていくあの感じを思い出す、そんなトーンがあって、それでふわっと甘いようなそんな気分になるんだろうなと思う。

おそらく、バカリズムさんのやっているOLは25ぐらいだろうなと見ていて思う。もしかしたら23か24ぐらいかな。後輩もいて、大体3年か4年目ぐらいで。でも、まだ独身の先輩ばっかりで。私がOLらしいOLをやっていたことろは、一般職と言われる職種で結婚しても努めている人は周りには居なかった。課長の下に女性の管理職が一人いて、私達女性全員をまとめていた。揃いの制服を着て。本社ビルで。全員女性で、課の長は男性で、課長代理が珍しく女性だった。けれど、総合職(になったであろう)女性は私達との一体感を出すために制服を着ていた。

先輩だ先輩だと持っていた人はおそらくまだみんな二十代だったのだ。

三年先輩はすごく先輩に見えた。あの頃を思い出す。私は銀行ではなかったけれど。

 

それにしても、あのドラマ、会社のカラーリングがすっごくばっちりで、実際の職場はもっとがちゃがちゃした色だな、そのあたりは気を使って作っていてきれいだなと思う。あの職場の制服って微妙なグレー・ブルーがかった色合いでなかなか素敵。そして会社内のものがすべてあの色で統一されているんですよね。食堂シーンなんかで椅子やトレイ、マットなども全部そろった色ですごいなと思います。ああいうことは実際にないけれど、画面としてとてもきれいに、人物が浮き上がって見えるし、少し、雰囲気のある漫画の画面みたいだなとも思う。

更衣室なんかも、揃いの色でかなりカラーが絞られていて、画面全体がふわっとした感じ。それに対してバカリズムさんが帰っていく家の部屋は適度にごちゃごちゃしていて、でも、基本はグレーに差し色をピンクが入ったオレンジ(あるいはオレンジが入ったピンク)で色をそろえていて好みの色はあるものの、適度にごちゃついていて、ちょっとダサい感じ。でも、室内の木材の色が統一されたりしていて、ごちゃごちゃした感じは意外と普通より少ないんだろうなと思う。

私があのドラマを最初は見なかったのは、どうせテレビで作った女性の話なんて、女性をバカにしているか、諍いを楽しむようなものでしょ。と思っていたから。女ってこうでしょみたいなことをするのかなと思って敬遠していました。

見てみたら、ほんとになんでもなくて。そこが良かった。なんにもなくて。特に。お互い仲良く仕事していて、話してたら、お互いにある程度気を使い合って。それが意地悪な視線ではなくて、自然な雰囲気で展開されていた。

結構仲良しだけれども、ソーシャルだから、やっぱりちゃんと気を使っているとこと、ちょっと本音が出たりするところとか。意地悪じゃないけれど、あれっと思うところとか。基本仲良くしたいし、明日もあさっても会うしというところとか。ファンタジーなのだけれど、ファンタジーすぎないところも好きなバランスでした。

 

全体にファンタジーなんですよね。雰囲気もカラーリングも。話も。あのファンタジーでふわっと浮き上がった感じが二十代半ばの気分を思わせるところなのかも。決してファンタジーじゃなかったけれど。でも、あの頃を思い出させる不思議な空気をまとったドラマでした。

 

グレーとグリーンが入ったブルーって好きだからそこも気に入ったのかも。そして静かなところも。(最終回小峰様コールがありましたが)

ああいう仲間内ではしゃいだり、小峰サマーみたいな言葉ができたりっていうのも雰囲気なんですよね。