バラ

5月になった。友達が休み中に神代植物公園へ誘ってくれたので行く。

バラにはまだ早い時期だということだけれども、行ってみるとバラ園には少しだけ咲き始めた花があった。ぽつぽつとしか咲いていないのだけれど、バラ園の傍らのベンチに座っていると、バラの良い香りが漂ってくる。

園内の売店でお茶を買って飲む。バラの香りを感じながらのお茶。普通のアイスティーだけれど、バラティーのように感じる。湿度の低い日で、暖かく晴れた日の匂い、それに草や木、土の香りが混じっている。

藤はすでに終わりを迎えていて、藤だなの花はちょっと縮れているように見える。

広大な園内を歩く。季節ではない梅の園やその他花の季節ではない木々や草も楽しむ。大きな温室の中には熱帯の植物。睡蓮がきれいに咲いていた。睡蓮は色がきれいで繊細な花が多い。睡蓮のプールの中に友達が熱帯魚を見つける。グッピーだ。グッピーを見つけて喜ぶ。

花が咲いていても咲いていなくても、元気に生えている木や草はきれいだ。休日でたくさんの人が訪れていたけれど、とても敷地が広いので、入ってしまえばのんびりと歩いていられる。

鳥が鳴いているのを聞いたり、あちこちに咲いている花を見る。

子供のころここへ来たし、大人になってからも1回か2回来たことがある植物園。以前よりきれいになっているような気がするけれど、その時々で広い場所で緑がいっぱいで、売店で植木を冷やかしたりして過ごすのは変わらない。

友達はバラを買うという。様々な種類のバラの苗が売店に並んでいる。バラは好きだけれど、植木を減らしている身。私は見るだけにする。あれこれ選んで2つの種類の苗を選んだ。それにバジルの苗。

会計を見ていたら、私もなんだか買いたくなり、結局バジルの苗とクチナシの苗を買ってしまう。樹木の苗を買ってしまった。クチナシの花の咲くのを見てみたくなってしまったのだ。白い綺麗な花で好きな花なのだ。でも、苗を買ってしまうと長い付き合いになってしまうので、どうかなあと買った後の今でも思っている。あまり大きくしないようにしなければ。

バラ園には様々な名前のバラが並んでいる。すべて作成者が思いを込めて付けた名前だ。花の色と名前を見比べてなるほどと思ったり、意外に思ったり。そういえば、温室の睡蓮のところでも、植物園なので展示されている睡蓮に番号がふってあって、ちゃんと品種名が書かれている。そうか、睡蓮だってちゃんと園芸種として品種改良している人がいるのか、と思う。