青梅の美術館

古本で「櫛簪とおしゃれ」という細見美術館の企画展からできた本を買いました。細見美術館は繊細なコレクションが有名な京都の美術館。かなり昔、20年ぐらい前に行ったのが最後かもしれません。結構混んでいるとか、予約が必要になったりで、ふらっと行けなくて、行ける時行くという美術館ではなかったので、行けませんでした。そろそろ行ってみたいのだけれど。京都は混んでいるからなあ。以前の京都はシーズンオフがあったのですが、今はありません。バスもタクシーも行列でひどいし。ちょっと遊びにくいんですよね。用事があって行くと、ついでに遊びたいなあ、美術館に行きたいなあと思うのですが。

さて、そこの過去の企画展「櫛管財とおしゃれ」で展示されたコレクションは澤乃井櫛かんざし美術館という美術館が所蔵する物。ここは澤乃井酒造が持っている美術館らしく、青梅にあります。青梅かあ・・・。遠い。

櫛や簪の装飾というのは、刀のつばや目貫、笄とか小柄なんかの装飾に通じるようあ手元で見る小さい、細かい装飾が多い、ミニチュアの魅力に近いものがある。

これは紅入れとか手鏡なんかにもあるもので、小さい枠の中に、世界が広がっていて、用途による形の制限があるからこその楽しみのようなものもある。

櫛や簪をさして飾るということは垂髪ではなく、何かした結った髪である必要があるのと、工芸の技が高められた時代ということもあって、江戸時代のものが優れて面白い。そして職人技が極められそれを土壌にアートが育った明治の超絶技巧時代のもの。

ただただ、すべてが「美しくかわいい」ものたち。手に取り、「素敵」と思われ、髪にさされて、大事に保存されたものたちの写真を堪能できる本でした。

図録ではないので、それぞれの作品の解説はなし。写真集みたいな感じです。