夏の飾りとしてはまぐりの貝殻を出している。

このはまぐりは香が入っていたもので、いわば空き箱みたいなものだ。確か梅が香かなにかが入っていたのではないかと思う。もう随分たっているのでわからなくなってしまった。

はまぐりを使った遊びといえば貝合せ。貝合せをする貝覆は貝桶に入れられる花鳥画や源氏絵が描かれたはまぐりの貝殻。輿入れ道具の華で格が高く、かつての例えば姫君の輿入れでは家老クラスが受け渡しに選ばれた、と読んだことがある。

貝覆の遊びははまぐりの貝殻の模様の違いを使った遊び。地貝と出貝にわけられていて、蝶番を点前に向けて開いて右に来るのが地貝。左が出貝。

お互いの模様を見て、これが一致するなと思ったものを合わせる遊び。地貝をもって、模様が合いそうな出貝のところへ持っていて、ひっくり返し合わせてぴったり合えばあたり。中の絵を見て答え合わせ。

手元のはまぐりを見てみても、たしかにはまぐりの貝殻の模様は二枚の模様は続いている。この模様をたよりに貝を合わせていくのだなと思う。蝶番のところでぴたっとくっつければ、本当にかちっとはまって、少し動かないようになる。

貝覆を使った遊びなどはしないけれど、手元のはまぐりを合わせたり、外したりして本当にぴったりだなと思う。そろそろ貝の飾りもしまおうと思う。暑い季節が終わろうとしている。