雑草をかわいがっていることは以前書いた。

植木鉢に勝手に生えてくる芽をつまんで、少し大きめのフェルトでできたプランターに放り込む。

そんなことをしていたら、プランターがいっぱいになってしまった。意外と様々な種類の草が生えている。雑草なので、気遣いなしで生えるだけ生えさせている。どうも菫が多いなと思っていたら蟻の巣を植木鉢に作られてしまっていた。蟻は菫の種を運んでくると聞いたことがある。そのせいかなと思う。

それにしても、植木鉢の中に生えたものだけを、全部ではなく、ある程度選んで植え替えているのに、結構な種類の草がコレクションされていく。こんなふうに常に風に運ばれてきたりして、私が見えていないだけで種は身の回りにあるものなのだろう。そういえば鳥がよく地面を、なにもないように見えるところを突っついている。あれは私にあは見えない虫や種を食べているのだろう。

以前はよく駅のホームに鳥がいて、熱心にホームを覆っていたタイル状のコンクリートのパネルの境目、目地の所を来る日も来る日も突っついていた。あれは境目のところに種やなにかが溜まるからだったのだろう。そういえば雑草が生えてくるのもああいうところだった。そのせいか、掃除や手入れの手間を省くために、タイル状の舗装はなくなり、今はのっぺりとしたホームになっている。手入れは簡単になったのかもしれないけれど、鳥には優しくないケチなホームになったのかもしれない。鳥はあまり来ない。

そういえば、やはり手入れの手間を省くため、あちこちの地面にカバーをかけたり、タイル状のコンクリートを壊して同じ種類の地面を覆う草を予め敷き詰めたりするのをよく見かけるようになった。これも手間を省くということもあるけれど、ちょっぴり人間の暮らしがケチになったのかもしれない。

勝手に生えてくる草を見ながらそんなことを思っている。