自然

手のひらで、手元で楽しめるもの、足元にあるものが好きだ

雄大な自然は素晴らしいが、そういったものは私の身近にはない。小さな植木鉢の中でうごめく、小さすぎて姿がよく判らない虫。植木の上に乗るよく知るてんとう虫や幼虫。いつの間にかあっちこっちに引っかかっている蝉の抜け殻。植木鉢の中に勝手に生えていくる小さな草。いつも歩いている道の足元に生えている草。そういったものが私の自然だ。ちらちらとあちこちの雑草や家々に生えている草にまとわりつくシジミチョウ。そういったかすかなものが好きだ。

絵画や工芸もそうだ。確かに障壁画も好きな分野だが、絵巻や草紙が好きなのは手元で見るものだからだろう。障壁画屏風絵のたぐいも、好きだがそれも考えてみれば雄大な自然や街の賑わいといったものを室内に持ち込むものではある。

最近あまり見ないヤマトシジミカタバミを食草とする。これも子供の頃よく見たベニシジミはギシギシなど嫌われるタデ科の植物を食草としている。確か苔を食べる種類のもものいたはずだ。あの小さな植物がどのぐらいの生き物を養っているのだろうと思う。

勝手に生えてきた芽を育ててできた植木鉢。その葉っぱの上に座っているおなじみのてんとう虫。

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こんなふうに小さいものの上の小さい生き物を眺めている。

私の植木鉢の草は大抵が勝手に飛んできたものなので、何が出てくるかわからなくてくじ引きみたいで楽しいといえば楽しい。これもその一つ。写真ばえしないこと甚だしいが。