はるらんまん

春だなあ!というのは私は桜が満開になることではなくて、鳥たちの声で思います。今のところに住み始めたのは小学校1年生の夏休みからなのですが、そのころからずーっと鳥の声と一緒です。

都内なのですが、大きな公園のような公共施設が近く、公共施設が山を持っているので、そこに生き物がたくさん住んでいるのです。

子供のころよりも、さすがに個体数は減っていると感じられるのですが(見かける数、鳴き声の量)、子供のころには聞かなかった種類の声が聞こえてきたりして、やってくる、あるいは住んでいる種類の移り変わりも感じられますし、なにより、春になると一斉に囀り始める美しい声に「春だなあ。張り切ってるなあ。」と思うのです。

さすがに皆に愛されているだけあって、うぐいすの声は本当に美しい。あの美しく柔らかい声が近くから、遠くから聞こえてくるとつい聞き入ってしまいます。特に近くに着て鳴く声といったら。そんな美しい囀りだけでなく、平凡な声だったり「何か悩んでいるのか?」と思うような(でも本鳥としては魅力的に歌っている気分なのだと思う)キジバトの声など、ちょっと声が大きすぎるというか太すぎるというか困るのがガビチョウがちょっと「ほかの声が聞こえないよう・・・。」と思わないでもないけれど(なにせ声が大きくてしかも「長いよ・・・長すぎるよ・・・。」と思うほど長く鳴く。)、コジュケイも鳴き始めて、春からもう少しで初夏を迎える季節に向かっているのだなと思います。コジュケイの声は子供のころ、このあたりに引っ越してきて初めて聞いて、ずーっと不思議な声として聴いていたもの。大人になってコジュケイだとわかったのだけれど、ずっと何の鳥が鳴いているのか知らずに、でも暖かくなって夏まで特に朝、聞こえる声として聴いていました。

最近はシジミチョウをあまり見なくなったので(雑草やコケなどが少なくなって、樹木や草の種類も変わったからかもしれません)、春の、あのちらちらと低く地面近くに見える友達(子供の相手として身近だったから)に会えないのは残念だけれど、虫も増え始め、花粉症さえなければ、どんどんと生き物が活動し始めるのを感じるいい季節です。

子供のころ、友達が「春は気持ちが安定しないから嫌い」と言っていて驚いたことがありますが(友達の繊細さに)、私は生き物たちがぐんぐんと速度を上げ始める、おそらく「落ち着かない」季節がとても好き。気持ちは・・自分の気持ちは春だからといって変わることはないなあ・・・とその友達の話を聞いたとき驚愕したのを思い出します。同感できなくてちょっと残念だと思ったことも。