秋の音

立秋の知らせを聞いた途端、草むらからりーりーと虫の音が聞こえるようになった。

気候変動が大きい最近でもまだ暦は案外有効なのかも。と思いつつも、まだまだ暑い日が続くのだろうに、大丈夫かなあと早々に聞こえる草むらの音の主にいらぬ心配を寄せている。

昨日、今年初めてツクツクボウシの声も聞いた。お盆を過ぎて、以前なら、そろそろ暑さもピークを過ぎて楽になる、と思うところだけれど、このところの感覚だと10月ぐらいまで「夏」の気温。本当に夏が長くなった。子供のころは夏休みでも朝は涼しく、半そでが頼りないぐらいだったのになと思う。最近は六月ごろから28度ぐらいまであがるようになって真夏の気温となる。そうなると夏はもう年の半分まではいかなくても、大部分を占めるようになってしまったのでははいか、と思う。

春と秋を愛する身としては残念でならない。

夏は子供のころから苦手で好きになれない。

家にいる鈴虫はまだ大人にならず、静かに茄子に取りついている。

そういえば。テレビを見ていて、カブトムシや何かを飼ったりするのは日本では割合ポピュラーな遊びといえるけれど、害虫なので、飼わないという国が多いと聞いた。確かに。我が家の鈴虫も野菜を食べるので、あだ名は「害虫ちゃん」。家庭菜園で作った茄子を虫にやっているので、虫に食べさせたいのか食べさせたくないのか、忙しいことだとも思う。

まあ、断りなく食べられるのが困るというところなのだろう。

涼しい気温だった昨日などは夕方カネタタキの声も聞こえた。いくら何でも張り切りすぎなのではないだろうか。明日からまた暑いよ、と教えてあげたい気分だった。