多様性が救う

「ヒューマニエンス」の「免疫」会。面白かったのはワクチンを打っていない人が「たまたま」新型コロナの塩基配列と共通の配列を持つ外敵に対する免疫を準備しているために、対応がある程度できていた、という話。確率の問題なのだけれど、いろいろな準備、いろいろな外敵で今まで触れてきたものに対する準備をしていて、それがたまたま今回の新型コロナと共通の部分を持ったという人は、新型コロナにある程度免疫が対応できるようになっている。また、自然免疫を担当する細胞の、受け渡し部分の型は一人ひとり違う。そして、ワクチンを受けた人も、B細胞から出る抗体の遺伝子をどんどん突然変異させていて、その「ヤマ」が当たると、ビンゴで変異するウィルスにも対応できるという。あれこれそれぞれの体の中でヤマをはって、ビンゴの人もいれば、当たらない人もいる。そしてその準備した抗体の型によって、ウィルスに感染しやすくなるリスクもある。体の中でさまざまに抗体を生み出したりするのは、人によって違う。

ウィルスだけでなく、人体に大きな危機が訪れたとき、それでもやっぱり生き残る人はいる。人の体や能力は本当に様々で、一人ひとり違うことが、生き残る手立てであるのだろうと抗体の話でも思う。あいまいで多様。とうことが、全滅を避ける。数あると、中にひょこっと危機を脱するものが生まれる。

B細胞の情報を受け渡しする細胞は人によってみんな違うというのはとても面白いと思う。これは個人が特定できるような「個性」があるのだそうだ。