さっとくる

寒い。

朝、5時台に外に出ると、涼しいから寒いと感じるようになった。

台風がやってきた後、すばやく南からの空気を持って行ったかのように、秋がやってきた。

急だな。と思うけれど、そういえばいつだって秋の肌寒さは急にやってくるんだったと思いなおす。

どの季節が好き?と子供のころ級友に聞かれて困ったことがあるけれど、私はどの季節というより、季節が変わる時期が好きだ。季節の変わり目は体調を崩しやすいし、過ごしやすいとは言えないのだろうけれど、この季節が切り替わる、空気が変わる時の感覚がとても好きなのだ。

夏から秋に替わる時、秋から確かに冬が来たと感じるとき、春が急にすぐ目の前に現れたとき、春から夏がまるでぐんぐん走ってくるように近づいてきたように感じるとき。そんな時が一番わくわくしたり、限りなく懐かしいような気がしたり、心が動くので好きだ。

まだこれから暑い日はあるという予報が出ている。

けれど、日の出の時間がぐっと遅くなり、いつのまにか日の入りの時間も早くなった。

9月もあと一週間。秋がさっときたと思ったら毎年さっと去ってしまう。

夏にコロコロ雑木林から転がり出ていた青い小さないがぐりが、今は青いどんぐりがころころと雑木林からアスファルトの道に転がり出ている。

樹木も忙しく衣替えの準備中。

私も一番最初の衣替えを小さくする。これから冬に向かって何段階かの衣替えをすることになるだろう。子供のころは暦通りだった衣替えも、今ではグラデーション。