文様のちから

根津美術館 企画展 文様のちからへ行く。

絵画はほとんど工芸、特に衣の模様を大きく展示した展覧会だった。

本展覧会のほうではなく、興味深い展示が同時開催の百椿図のコーナーにさらっと展示されていた「邸内遊楽図屏風」。遊楽図は色々あるけれど、これは若衆がもてなす館の図。そこが少し珍しい。(他にもあるらしいが)

17世紀江戸の作品で、色白のきれいな若衆がお客にちょっかいを出してふざけかかっていたり、食べ物を食べたり、お酒を飲んだり、ゲームをしたりといった図。本を読んだり、音楽を楽しんだりといった様子が展開されている。

なんだかみんなゴロゴロして、楽しそうに戯れている。琵琶法師が奥の方で語っていたり、庭を眺めている人がいたり、なんだか力自慢の芸を披露している人がいたりでにぎやかに楽しそうにゴロゴロしている人々が屏風にずーっと描かれている。

小袖や舞の衣などの文様は素晴らしかったけれど、なんだかこっちの屏風のほうが面白くて印象に残った。

衣の柄ということで誰が袖図屏風もそういえば展示されていた。誰が袖図は図の中に好きに模様を配置できるので模様を思い切り描ける図でもあるし、誰が袖というだけあって、そこにいない登場人物を思う図でもある。そして今回の展示では衣桁に誰が袖が際限されている展示もあり、そういえば、ここに展示されている豪華で緻密な衣たちはいったいどんな人の発注により作成され、どんな場面で袖を通されたものなのだろうという展示全体が誰が袖とも言えなくもないな、と思う展覧会だった。

茶会展示は新年の茶会。寅年にちなんだ道具、新年らしい道具が出されていた。中で猫型染付登場には面白いなと思った。トラ猫?