ちょっとごめん

通販でアンティークを買う。というのは結構リスキーとは思うけれど、時々買う。たいていはあまり時代が古くないもの、新しいものだと昭和にはいってのものもある。

あまり当たり外れがなさそうだな、と思うものにしている。それでも結構「あれ?」と手元に来たものを見て思うことはある。幕末から明治ぐらいの物だとか、昭和初期の物だとか、たいていは食器が多い。金額が手ごろなところとなるとそのぐらいになる。幕末や江戸時代のものでも、ある程度の金額となると、ちゃんと見て買うことにしている。そうしないと質感というか、その物が持っている雰囲気がわからないからだ。

今回つい、ネットで買ってしまったのは以前行ったこともあるお店で、購入したこともあるお店。有名なお店なので、それほどひどいことにはならないであろうと思って、比較的安心してみることができる。

とはいえ、写真だと、「思っていたのとは違う」ということは結構ある。そしてこのお店、写真とるのがうまいからなあ。

今回買ったのは豆人形。「奴さん」を買った。お人形を買うつもりはなかったのだけれど、サイトを見ていて、ふと、これは結構よくできているなと思って。

お値段もお手頃なので買ってしまった。とても小さい。

やってきた豆人形はものすごーく汚れていた。うーん。つくりは悪くないのだけれど、とにかく汚れている。うむ。これだと飾ってもあれなので、掃除してみよう。と消しゴムで汚れを取ってみる。まずは頭。ちょんまげをゆった頭と顔は白いはずなのに、真っ黒になってすすけている。消しゴムをかけてみると、結構とれて、いい感じになった。調子に乗って体のほうもとかけたら、ちょっとお仕着せの半纏の肩のところがはげ気味になっちゃった。ごめんよ、奴さん。

最初に使っていた固めの消しゴムでは、地の色ははげないけれど、上に塗った朱色は強すぎるみたいだった。なので、もう少し柔らかい消しゴムに替えて、体のほうをお掃除。真っ黒だった頭と顔は白いところは比較的白くなって、これなら大丈夫かなという状態になった。どうしても頭のてっぺんに近いところの額の上ぐらいのところにうっすら黒いかげみたいな汚れが残ってしまっているけれど、あまり強くこするとよくなさそうなので、このあたりでやめておくことにする。ちょっと汚れが残っちゃっているけれど、ごめんね。でも、前よりずっと良くなったよ。かわいいかわいい。と飾る。

同じシリーズらしい豆人形がほかにも同時に売られていた。他のお人形も一緒に買おうかな、と思ってみてみたのだけれど、じーっと見ると顔のところなど、小さいから作りに結構差が出る。なかでは「奴さん」がポーズや顔が一番よくできていてバランスがよさそうに見えたので、奴さんだけにする。行列で毛槍をふるって片足を挙げたポーズの奴さんはにこにこ笑っている。お人形の背丈は2.5センチもない。

豆人形といえば、母方の祖母があつめていた。あれ、どこに行ったのだろう。コレクションがあって、小学生のころ、私一つと姉に二つか三つくれたと思う。その時母に「せっかく集めているのだからねだっちゃダメ。」としかられたのを覚えている。悪いことをしたかなあと子供心に思ったものだ。(祖母があげようか、というのでもらったのだ。)たしか、八歳ぐらいのころだったと思う。

こういう豆人形の小さいけれど、上手に作ってあるものを見ると、その祖母のコレクションを思い出す。祖母のものとはまったく趣が違うものだけれど。風雅なものを好む祖母とは育ちも好みも違うのでそのあたりは隔たりがあるのは当然かな。