ポワロ再び

何度目かの再放送だろうかと思う。テレビドラマ、ポワロシリーズを放送しているのを見かけて、また時々気が付いたときに見ている。

このシリーズ、短編から最後のほうの長編まで、一通り見たと思う。回によっては複数回見ている。

後半の暗いシリーズを見た後、また最初のほうのを見ると、明るくてほっとする。殺人事件ばかりなのに明るいというのも変だけれど。ポワロも友達たちもみんな少し若くて元気だ。最後のほう、すべての作品をドラマ化するという意欲で続けたらしいシリーズだけれど、長編はかなり寂しくポワロの孤独が色濃い。そして、仕方がないけれど、ポワロは能天気な様子ではいられない罪の意識にさいなまれていくことになる。ずーっとなぞは解くけれど、裁くことはしないというスタンスだったのに、そうも言ってられなくなるからだ。大人の話というかポワロ自体の人物造形を掘り下げていくのは後半だから、そこが見どころといえば見どころなのだけれど。孤独の上に、友達を得て、まあまあ元気な時期で明るくふるまっているのが前半。その孤独がにじみ始めるのが半ばぐらいかなあ。そのあたりは味わいがあっていい。特に女性の盗賊、ロシアの婦人が出てくる回はなかなか味わい深い。

アガサクリスティは小学生、中学生のころ読んでいるはずだけれど、結構忘れているなと思ってこのシリーズを見ている。このシリーズを見るのも何回目かなのだけれど、やっぱり結構忘れている。でも私はミスレモンやヘイスティングスが出てくる頃のこのシリーズが好きだなと思う。アールデコの屋敷を選んで登場する回が軽妙で好きだな。

田舎シリーズはちょっとだけ暗めな事が多い。

また最初のほうから放送しているようなので、放送しているのに気が付いたら見ようと思う。