また「虫めづる日本の人々」

また、サントリー美術館の「虫めづる日本の人々」展へ行きました。今回は「行きたい」という人がいたので、ご案内。会期は後期に入っていたようで、以前見に行った時と展示が一部変わっていました。

「きりぎりす絵巻」も以前の展示箇所とは違う箇所になっていましたし、「虫歌合絵巻」も違う種類のものが出ていました。これは前期の展示のほうが好きです。絵が今回のものはわかりにくい。「天稚彦物語絵巻」も蛇シーンにかわっていました。蟻シーンのほうが面白いのになあ。でもほかのところも見られるのはうれしいです。

今回は音声ガイドを借りての見学。音声ガイドがあっても、ガイド、もうちょっと多くてもいいのになあなんて思いました。館内は今回も冷え冷え。羽織りもの必須です。

あらためて見てみると、上手に描かれていても、もちろん上手なのだけれど、虫にぎこちなさを感じる人とそうでない人がいたり、画家によって、作品によって虫の表現はいろいろ。それと、蝉をなぜそんな細いところにつかまらせたのか?だとかいろいろ都合によりというようなところも見えたり、これは虫でなくてもよかったのではないかと思うものなどなど考えながら見ることができました。そして「虫」を描かず虫を描くという手も。「鏑木清方」の美人画はその手法。前期上村松園だったところが鏑木清方に替わっていて、どちらも虫より美人がテーマではあるのですが、鏑木清方の絵のほうは、美女が耳を澄ませている、虫の音に耳を傾けているという風情を描くという方法で虫テーマに加えられていました。きれいですね。どちらも好みの美人画を描く人なので見られてうれしい。

浮世絵も前期と違っていたり、不思議な屏風が出ていたりで前期を見た人も、また違う絵を楽しめて面白いと思います。