また行った

サントリー美術館で開催中の「京都・智積院の名宝」展にまた行きました。

いつもは音声ガイドを借りることがないのですが(なにぜ、見たい気持ちがはやりすぎてあわあわしているので)、今回は母と一緒。母が音声ガイドを聞きながら鑑賞したいというので借りました。

私は前期二回目なので、どこに何があるかだいたいわかっているので、少しは落ち着いてみることができるし、音声ガイドも聞いてみたかったので、二人で音声ガイドをかり、いざ出発。

音声ガイド、耳元でちょっとした説明をしてくれるので、確かに楽ですね。自分で説明を読んだりしなくて済むから、「読む派」の人は便利だろうな。と思いました。

私は毎回あまり説明を読まない(呼んでいると見るほうがおろそかになるので。集中力がないのです)のですが、たしかに耳からちょっとした説明を受けると、読まなくて済むから便利かも、と思いました。でも、やっぱり耳から説明が入ってくると「見る」ほうに集中できなくなってしまう。私の頭のクセなのだと思うけれど。

とはいえ、音声ガイドは展示で出ている説明とはちょっと違ったミニ情報を挟んで来たりするので、その点ではすっごく面白かったです。

例えば、徳川綱吉が描いた絵のところでは、結構綱吉の絵は当時から人気で、周りの人にあげていたとか聞くと、えー家来のえらい人(?)とかにもあげてたのかなー。とか、近代の名宝コーナーにあった土田麦僊の朝顔図のところで、土田麦僊がお寺(智積院)に勉学修行をしつつ、絵の修行もしていたけれど、「両立はムリ!!!」と逃げ出したけれど、その後円満解決とか。うーむ。佛を荘厳できるほどの美しい作品を作る方向で御仏へのおつとめをするってことで解決したのだろうか。でも、とにかく、朝顔を自分で育てて体の中に「朝顔!」と情報が入るほど入れ込んで練習してあんな爽やかな絵を描くのだから、本人にとっても周りにとっても「絵のほうだけで」という判断はよかったのだろうなあと思いました。うむ。そして綱吉については「ちょっと得意になってたんだろうな」とか、勝手に二人で想像したりしつつ鑑賞。母は「綱吉の仏様はちょっと色っぽいっていうか俗世感覚があるように見える。」など楽しそうに見てました。確かに。

そんなこんなで、また名品がじっくり見られたし(会員の日に見たからかゆったり見られた)、やっぱり障壁画ファンの私は素敵な障壁画、桃山魂がはいったような絵とか、それよりちょっと洗練されたような、おとなしめの絵が描かれた屏風や襖絵を見られて楽しかったです。

絶妙に簡略化されているのに、臨場感があるというか、そこで樹木や草を眺めている気分になれる(しかもパラダイス的な気分で)というところが、超絶構成力なんだろうなあと思います。

焼失してしまった失われた絵の写真を見て「これも見たかったなー」と思いました。見たかったなー。