行かない

東京在住で旅行などここ二年夢なので、最近母はテレビで旅行を楽しんでいる。長岡の花火を放送していたので、食事中それを流して「今旅館にいて窓から花火を見ているところ。」と言っていた。バーチャル旅行。

この間は京都の俵屋の番組を見ていて「俵屋宿泊」の妄想を集中してやっていた。

私も加わり「じゃあ私はお向かいの柊やへ」とか、「朝食が多すぎる!あんなにいらない。」「じゃ、八坂まで歩いて大暴れするしかないね」「ついでに円山公園で走り回るしか無いね」とか言い合って妄想旅行。妄想旅行は細かくする。ある程度知っている京都などは一度北上して市役所の方の階段から電車に乗るとかやっている。

新日本風土記なんかも見ていると「全部素晴らしいところのような気がする」と母は言う。そして「行きたくなる」と。でも見ていると土地勘がないのでよくわからないけれど、結構範囲が広かったり、「一年全部は味わえないしね」「文化みたいなものは旅行で行っても味わえない」とも言う。

素晴らしき物語があったり、素敵な景色があったりするので、全部「いいな」と思うけれど、自分が旅行で行くとなるとまた違ったものになる。なので妄想旅行は妄想旅行で楽しいのだ。