阿弥陀如来

六月最後の日曜日。時間が一時間程度空いたので、根津美術館の企画展、阿弥陀如来 浄土への憧れ 展を見に行く。

非常に美しい平安時代の菩薩立像が印象に残った。小さいながらも非常に整っていて均整がとれていて、現代人が見てすぐに、あ、きれいな人と思う像。プロポーションも現代人が理解しやすい。

阿弥陀への憧れということで、当麻曼荼羅も出ていた。いろいろパターンがあるなかで根津所蔵のものなのだな。と思う。そういえば当麻曼荼羅絵巻の写しも展示されていて、へーと思ってみたのだけど、後で確認すると個人寄贈のものだった。すごい。

当麻や熊野権現についてはお能にも演目があるので、親しみを感じる「ご存じ」感がある話。絵で見ると楽しい。

以前単独で企画展があった高麗阿弥陀像もいくつか。細かい装飾で華麗ないでたちが特徴で、よくベールなども着ていることがある。どちらかとうとこういうキラキラした系統よりそうでないほうが好きだなと思いながら見る。

茶室はムシムシした季節に涼しさを感じる道具取り合わせ雨中の茶会。水、雨に関する道具が多い。

茶杓に点のようにある黒い穴を「星」と見立てるのは、なるほど、そういう見方があるのかと思う。雨の降る季節、夜空にぽちっと一点星を見つけるうれしさ。そういう気持ちを美しく華奢な茶杓の一点の傷ではなく美点とみるのは、なかなかできない。心によってどうにでも解釈し美しさを作っていけるというところが、茶は芸術なのだろうと思う。こういう自分で美を作り、それを知らせるという創造の力を発揮すれば茶は芸術と思うけれど・・・などと勝手に思う。

お昼も食べずに動き回ったのでとても疲れた日だった。