染色図案とあかね會

丸紅ギャラリー染色図案とあかね會へ行きました。丸紅ギャラリーは丸紅ビルのフロアの一角をギャラリーにしたもの。
初めて行ったのですが、入場料は現金は使えないとのことで、PASMOで支払いました。交通系ICは使えるとのこと。
今回は丸紅が保有している染色図案の一部の展示。私が行ったときは、実際に2枚の図案が着物と帯に染められた状態で展示されてました。一つは防人と馬の図案を着物にしたもの。もう一つは石橋を題材にした石の橋と飛び遊ぶ獅子二頭の図案が着物、帯両方に染められたもの。それぞれとてもいい!そして、元の図案から、どのように実際の着物や帯にしていくか、の差も見比べられて面白かったです。あの防人着物いいなあ。図案はあっても、実際の着物へ書くとなれば、着物に合うように調整されて、表情も変わるし、配置や構成も変わって、それはそれで、着物に書く人や企画する人の腕なのだろうと思いました。石橋も、もともとの図案も結構かわいいのですが、着物にするとさらに大画面になってのびのびとした図となり、獅子も大活躍。帯のほうは、ぎゅっと図案を帯の幅に配置して、色使いがかわいい。
図案からの実際の物への展開として、例えば防人の描かれた着物は、図案にある防人と馬具をつけた馬の他に、裸馬が追加されており、馬具を付けていない馬が柔らかく描かれたものが、防人と馬の間に配置されています。それが優しい柔らかな見た目になっていて、作者解説のとおり。実際見るとなるほど!です。絵柄も着物らしく、すっきりとして柔らかく優しいものになっていて、なるほどなあと思います。
人気洋画家や日本画家、漆芸家、図案家などさまざまなジャンルのアーティストがアイディアを出していて、そのアイディア画の展示といった展覧会内容でした。
着物や帯になっていない図案でも「あ、これは帯を予定しているのかな」とか「この柄だったら着てみたいなあ」とか思いながら見ることができるので、普通の絵を見るより身近な見方ができるかもしれません。題材も絃上といったお能(石橋もそうですが)にちなんだもの、自然の風景や図形のようなもの、音楽を現したのかな?と思うようなイメージを絵にしたようなものなど、図案なので、指示のようなものが書き込まれていたり、さっとラフに描いたものであったり、それだけで完成した絵のようになっているものもありで、そこも面白かったです。
これら図案は全部作品になっていったのかなあ。もしそうならば、その出来上がった製品も見てみたかったなあ。もし製品になっていても、もうないのだろうなとは思うけれど。