湿気

梅雨に入っちゃったみたいですね。

さて、これからの季節。私は苦手な季節です。そうです。鼓です。

人によりますし、鼓にもよるのですが・・・。これから湿気が多くなって「よくなる」という人もいます。でも、私はあまりにモイスチャーな梅雨から夏にかけては、鼓が「ぼよんぼよん」になる季節なので、嫌いです。

鼓とうのはなんとなーくイメージで、筒みたいなのがあって、皮が両側にある。という構造というのはなんとなーく知っていると思います。このつつみたいな「胴」部分と外の打つための皮を赤い「締め緒」でしばって合体させています。この緒の締め方、そして皮と胴の組み合わせは無限大で、かならずセットというわけではなく、その人その人が組み合わせてその場で作り出すものです。皮と胴もセットではないです。

ま、私の場合、かなり恵まれていないので、今、とんでもなく機嫌を取るのが難しい皮を一組だけしかもっていないので、打っている間に調子がどんどん変わってしまう・・・という泣きながらの演奏になるわけですが。(よい楽器を譲ってもらえるような人徳、あるいはコネクション、身分といったものがあるといいのですが・・すべてナッシング)

とにかく、胴と皮でできてる打楽器です。

同じような形でちょっと大きい「大鼓」という楽器もあって、演奏時、お隣に座っています。こちらも同じような形なのですが、小鼓より巨大で高い音がします。カンカン音がします。皮も分厚くて、胴とセットした後、ものすごーく乾かします。湿気厳禁なのです。火鉢の近くで乾かしたりするぐらいです。

で、小鼓のほうはというと、乾燥すると音が出ません。やわらかいポンという音からして湿気っぽいと思うと思いますが、適度な湿気が必要です。この適度が面倒で、ありすぎると皮がぼよーーんとなってしまい、なさすぎるとばっさばさになってしまいます。また、温度も低すぎるとカチカチになってしまい、音が出ません。

なので、気温が低く、湿気の少ない冬は結構厳しいので、梅雨を迎えるころになると「(湿気が出てきて)いい季節になってきましたね」なんて言う人もいます。

が、私はもうちょっと湿度が低い方が好みで、五月ごろ、梅雨前だとか、あとは秋なんかが好みです。一番音が出しやすいし、好みのセッティングにできるのです。

というわけで、梅雨がやってきてしまうと、この後ぼよんぼよんの季節が続くので、私としては「あーあ」と思う季節なのでした。