皇室のみやび展

三の丸尚蔵館がリニューアルされて、その記念も兼ねてなのか展覧会が3日から始まるとのことで、初日の3日に「皇室のみやび」展を見に行きました。
以前三の丸尚蔵館に行ったのはいつだったのか覚えていないのですが、以前行った時は、ふらっと行ってふらっと入った気がします。現在は事前時間指定予約でチケットを購入し、時間通りに入るという運営のようです。時間前には入れないようなので、あまり早く行っても無駄に並ぶことになるようです。
私が行った一期は2部屋の展示。1部屋目に目当ての絵巻が出ていました。今回なぜ行ったかというと春日権現記が出る、とネットに書いてあったからです。
1室目は最近よく行き合う、「写真OK」の展示でした。でも、この写真OKの展覧会、私はとっても苦手です。ろくな写真が撮れないと思うのですが(いえ、皆さん手練れですごい写真が撮れるのかもしれませんが)、みんなスマホに夢中になってしまい、鑑賞がすごくしにくくなってしまうのです。写真を撮らない人にとっては、鑑賞がしにくいし、スマホに夢中になっている人は周りに気遣いをしないしで、悲しい目に遭うことが多い。だからすごく苦手です。みんな写真を撮ることの方が大事なのかなあ。直接見た方が、写真より綺麗だと思うのだけれど。
今日も、写真撮りたさに、無礼なことをする人が結構いました。写真も鑑賞の合間に、ささっと撮るだとか、そういうのだとなんとも思わないのですが。

さて、展示。
1部屋目には冒頭に春日権現記。展示されていたのは第12巻と思しき興福寺蔵俊僧正が夢に四所の春日明神の輿が降り立つのを見る、というシーン。
そして、鹿が興福寺の長講会を聞きにくるというシーン。一の鳥居の西あたりのシーンで見慣れぬ牛車に地蔵菩薩が乗っているお姿が!というシーンと面白いシーンの展示でした。鹿もいっぱい。お地蔵様が牛車に乗っているシーンでは子鹿もいてとても可愛い。以前も見たことがある絵巻なのですが、絵巻は展示のたびに公開する部分が違うので、今回は結構好きなシーンで満足です。

次の絵巻は蒙古襲来絵巻。あまり期待していなかったのですが(これも以前見たことがある)、改めて見ると、人が生き生きと描かれていて、とても丁寧に描かれているもので、見応えがあります。馬も出てきますし(動物好き)。
次が動植綵絵と屏風土代。動植綵絵は有名なのでやっぱりみんな興奮。私は秋塘群雀図が気に入りました。そして意外に面白いな、と思ったのが土代です。漢詩の内容はわからないのですが、まずは屏風に漢詩を書くなら下書きというかリハーサルはやっぱり必要だな。という興味から見ました。見ているうちに、なんだかわからないなりに、文字に魅力があるなと思い始めます。あまりこの手のものを好んで鑑賞する方ではないのですが、見ていると「見ていられる」感じがあるのです。文字の魅力って不思議なもので、どこがどうというわけではないのですが、線が綺麗な文字だとか、魅力がある文字だとかあるんですよね。
というわけでしがたきも素敵なさすがの文字でした。

そして知らずに行って、嬉しいなと思ったのが春日権現記が入っていた箱の展示でした。立派。藤の折枝の絵巻が描かれている箱。素敵な箱です。ひもも綺麗。春日大社って藤イメージがあります。

2部屋目は多分・・・即位式に使ったものだとか・・・内親王の箱狗とか・・・あまり興味があるジャンルではなかったので、ふわーっと見てしまいました。あ、でも石帯とか州浜はちょっと「本物」と興味が。物語とか絵巻に出てくるのはこれか。と滅多に見ないものなので、興味がありました。昔のものはどんなだったのかなあ。