そろそろ

そろそろあちこちから、「年内の注文はいついつまで」「届けはいついつまで」「年始はいつから」といったお知らせが来る。毎年、意外と短い年末年始なのだけれど、なんだかもうこの世が一度終わるみたいな雰囲気になるから不思議だ。なんというか、一度終了するようなそんな感じ。

子供の頃はもっとお店は開いていないところが多くて、この「おしまい」感は強かった気がする。とにかく何もかも早く片付けなければいけなかったし、何日かのまた別の戦いに備えなければいけなかった。

お正月にのんびりした思い出はほぼなく、あまりいい思い出がない。とにかく忙しくて、大変で疲れるものだったとしか記憶していない。そしてそのせいで、年末も悲しいような思い出がある。なのに、年末年始が嫌いになれないのは、この押し迫ってくる感じがなんだか、とにかく一度終わりにしてしまおうという気分と一緒だからかもしれない。

とにかく終わる。という気分と、あんなに押し迫っていたのに、あっさり、ぽっかりと一日が来てしまうというのが、どこか爽やかで面白いような気がする。

子供の頃と違って、最近の年末年始はかなりのんびりしている。年末だからといってシャカリキにならなければいけないことはない。年始も「ない」といっていいと思う。かなり楽になっているので、純粋に「お正月」を味わえているような気がする。こんなふうに年末年始がなくなって初めて、年末と年始をたっぷり味わえるようになったのだなと思う。

そろそろ年末年始のことを考え始めるのは12月に入ったからだなあと思う。