なんだかんだ

一応健康に気をつけているので、お菓子を普段食べないようにしている。が、なんだかんだお菓子が好きだ。形も味も。特に形が好きだ。いや、好きな形のものが多いというほうが正確かもしれない。

名前も好きだ。和菓子には銘をつける習慣が一部のお菓子にあるけれど、あれがとても好きだ。現在の和菓子の銘は割合わかりやすい具体的なものが多く、お菓子の姿も具体的なもの、つまりはっきりと果物そっくりの形だったり花の形がそっくりだったりするものが増えているけれど、私はもっと抽象的な形になったもののほうが、ロマンがあって好きだ。子供の頃、抽象的な姿に不思議な名前がついたお菓子を見て、これを理解したい!と強烈に思ったのが私が和菓子に興味を持ったきっかけだと思う。

歌枕や和歌、漢詩から撮られた言葉や場所が銘に使われていると、世界がとても広がってて、大きなものを表現できる。あの小さい小さい中に大きなものを表現できるところが魅力なのだ。本物そっくりの果物の形もいいけれど、それは見た時に驚きや微笑みをもたらすとは思うけれど、ぜひ、そう言った世界も残しておいてほしいと思う。つまり聞いた時、これが一体どこがそれなのか、パッと見て誰でもはわからないもの。伝わりにくいもの。伝わりにくいということは伝わるのに時間がかかるということだ。時間がかかるのはそれは伝わるものが大きいからだ。

大切なものは大きくて遅れてやってくる。というところが何にでもあると思う。