キュー

キューブリックキューブリックの主に作品についてのインタビューに答えているドキュメンタリを見る。あまり自分を語りたがらない人だったようで、貴重な証言とのこと。

 

キューブリックといえば2001年宇宙の旅だけれど、とにかくながーい。私は子供のころ有名だからということで見たけれど、一番気に入っていて、そして怖かったのがHALだ。全体についてはどーでもいいような・・・という気がしたけれど(理解できなかったということだろう)、HALについてはとても面白いし、あの反乱ともとれるものがHALとしては反乱でも何でもないところなど、なるほどそうなるかもというシミュレーションのような感じを受けてとても面白かったのだ。

キューブリックの映画をドキュメンタリー内で並べて見せられると、「追い詰め系」だなと思う。見たことがない、おそらく見ることに耐えられないだろうと思ってみていない「時計仕掛け」(邪悪表現がちゃんとしすぎている。すさまじい悪についての表現で、若いころ紹介映像をちらっと見ただけ(直接表現はなかったが)でショックを受けて大変だった)や「シャイニング」(取りつかれ表現がちゃんとしすぎている。やはりすさまじい暴力表現があるので耐えられないと思う。紹介だけでショックが大きすぎる。)や「アイズワイドシャット」についてもおそらくあらすじを聞くに、追い詰め系。とにかく出ている主人公は追い詰められる。しかも自らの考え、頭に追い詰められることが多いように見える。

そう考えるとHAL問題は外に出た脳なので、自分の脳ではないところが違うのかなあ。あのブロックみたいな回路を一つずつ外されて「コワイ・・・」って言っているあのシーン、あのシーンこそ怖かったなあ。とにかくHALパートのみ「面白かったなあ」と思った映画でした(子供のころの感想だから)。

特に最後パートのもう一つ上の世界に到達したという結末が納得いかないというか、「そうなっちゃったら何でもあり」みたいな感想をもって、よくわからなかった記憶がある。あんな面白い(怖いけれど)シミュレーションの後、急にこんな条件で展開されてもという気分に。とにかくもっと上の存在のせいですべてがというのが、いろいろ調べても、対抗しても無駄みたいな感じで。

あ、そうそう、たまに「シャイニング」の紹介で見る、あの雪のトンネルの中を逃げ回るシーン。あれ、本当に悪夢の再現みたいですよね。キューブリック自身はあの話、「心の中の話」ではなく実際に悪霊に取りつかれた結果と考えているそうですよ。うーん。怖すぎ。ジャックニコルソンといえばあの斧でドーンと凍ってドーンのシーンが引用されることがあるぐらい、そういう印象的なシーンを作れるぐらい追い詰め脳だったのかなあ。発想があることが怖いけれど、それをちゃんと作品にできる才能があってよかったね、とも思う。

そうそう「フルメタルジャケット」の「フルメタルジャケット」説明がぞっとする内容でした。武器って怖い。

まあとにかく紹介される映画、たぶん怖くて見たら復活するのに時間がかかりそうなものばかりだったので見ないと思います。2001年は子供のころに見たので、今見たらまた違う感想があるかもしれませんが・・・・もう再挑戦する気が起きません。

 

キューといえばキューガーデン。私が英国に行ったことがあるのはえーっと三十年ぐらい前?よくわからず、いったい英語をちゃんと話していたのかどうかも不明。キューガーデンに行きたいなあと思ったことは覚えているけれど、電車に乗って結構行っていた路線ではない路線で、なんとなくいかなかったという感じ。行けばよかったなあ。