冷凍パンの日

台風の影響で雨が降っている。

週末は何も予定を入れずにいられたので、これ幸いと家にこもっている。一日目は手附の整理で終わってしまった。腰が痛い。こんな雨の日に着物の用事がなくてよかった。

さて、残りの日はどうしようかなと思うけれど、とにかくものを捨てなければ。捨てなければいけないものを持っているのが問題なのだけれど、長い間にその時は必要だったけれど、今は必要ないというものがあるのだ。

最近、パンの取り寄せをしている。パン屋さんで売れ残るパンを詰め合わせて送ってもらうという取り寄せ。パン屋さんを選んでお金を払っておいて、待っていると送ってくれる。いつ送られてくるか、何が送られてくるかはパン屋さんまかせ。余りを送ってくるので、余りが出なければ送られてこない。なかなか送られてこなければ、売れ残りが出なかったということなので、それはそれでめでたい。と思い待つ。

パンは冷凍できるものに限られるのと、売れ残りという条件なので種類は限られるけれど、自分では買わないような種類が入っていたりして、福袋みたいで楽しい。送料があまりかからないお店を選べば、まあまあ、全体の金額と同額ぐらいにはなるのではないかと思っている。

お得というわけではないけれど、我が家がある地域は文化果つる地であり、おいしいパン屋さんが一軒もない地域なので、それぞれパン激戦区から送られてくるパンはとてもおいしく、うれしいのだ。凝っているし。我が家の近所のパン屋さんと同じような値段で格段に凝ったおいしいパンが送られてくる。

そんな冷凍パンを解凍して食事として、外出せず、ひたすら家で作業をすることにする。

現在困っているのが着物。若いころの着物はもう着られない。しかし捨てるっていったってというところ。よくある中古屋さんに少し送ってみたけれどすべて値段がつかないということで、そのまま引き取ってもらった。それでもいいのだけれど。それにしても、面倒である。とにかく着物の処分は、あちこちで「困っている」と聞く。端切れでも、普通の着物でもあつかうようなお店があればいいのになあ。ほばーりんぐととさんみたいなことしている人は近所にも知り合いにもいない。金額は0でもいいので引き取ってほしいと思っている。けっこうみんなそうなのではないかなと思う。ゼロ円でもいいけれど、使えるものは使う人に回してくれるのはうらやましいなと思う。つまり、「あげたい」のだ。たぶん。売りたいわけではない。

着るものって結構そういうところがある。いらないとはいえ「嫌いだから」「もういらないから」というものは捨てても、どこかに「金額はでない」と言われてその後どうなるのか細切れにされるのか何なのかわからなくても結構なのだけれど、自分が使えないだけで嫌いでもなく、どちらかといえば好きなものは「あげたい」のだと思う。自分がもういらないものを押し付けたいわけではなく。もう似合わない、生活の中に使う場面がないから手放したいだけのものなんかはそう思う。

着物といえば。

最近中古の帯を買った。もうこれ以上しまうところがない。しかも帯って結構重たい。1筋ならばそれほどでもないけれど、これが2筋、3筋となると急にどっと重くなる。1筋でも持ち歩くとなるととんでもなく重たい。とにかく場所を取る。無理やり収納。これを今度使うために、着物と合わせてみなければいけない。ということでいちいち取り出すのが大変で(部屋が狭いというのもある)、いちいち重たいものをよっこらしょともちだして、ああでもないこうでもないといろいろ合わせることとなる。

着物を着るというと、洋服の生活と二本立てになってしまう。しまう場所も二倍。なにせ着物はそれ一枚では着られない。なんだかんだと洋服生活と二本立てになってしまう。バッグなんかも私は共通になるように気を付けてはいるけれど(つまりショルダーにはできない)、普段の生活で荒っぽい通勤に耐えるものとなると、別建てとなってしまう。

家で稽古の時に着るもの、気楽な相手のちょっとしたお出かけに着るカジュアルなもの、軽さを少し残した、でも発表会などで着られるもの、ちょっと少しだけ格のようなものが必要なもの、それを季節ごとに・・・とそろえていくと一枚ずつというわけにもいかず・・と結構な数となる。帯だって季節がある。帯締めだの帯揚げだの、襦袢だのなんだの下着もなんだかんだで洋服とは違ってくる。というわけで人間がも一人いるようなものとなる。履物、バッグ、足袋。

洋服でも似たようなもので、家でどたばた暮すための服、ちょっとした買い物に出かける服、少しだけ遠くに出かける服。旅行の時の服、劇場に行くときの服、その他いろいろ・・・。それぞれトーンが違う。それに付随して、バッグだの靴だの。

そろえていくわけにもいかず、それぞれなんとかうっすら対応できそうな、まあドンピシャではないけれどというものを持つようになる。

最近はカジュアル傾向が強く、見ているとどんな服装でも電車に乗っている人は圧倒的にスニーカーが多い。これはなかなか助かっていて、私も仕事に行くときや旅行の時はスニーカーにしている。それで見とがめられることはもうない。便利というか、楽な世の中になったなあとしみじみ思い、助かっている。現在のみんな結構リュックという世の中も助かっている。

というわけで(どういうわけ?)、さらに身軽にならなければ、もういっぱいいっぱいなのであった。趣味も過去のものはすべて処分。もうできる時間も体力も気力も資金力も限られている。切ってしまうものは今年中にきってしまわなければ。頑張る。