書きこみ

アマゾンで古本を買った。エッセイ。少し前に出版されて、新しいものがなかったので、古本で買ったのだ。値段は単行本で230円。安くも高くもないか。と思って。状態は「可」で経年の劣化があるというようなこと。

買ってみて、しまったと思った。書き込みがあるのだ。私は本に書き込みをする人の気が知れない。どうして書いたりするのだろう。今回の本は蛍光ペンで結構線が引いてある。この線というのが、微妙にいらいらとさせられるものだ。人によってその文書を読んで「なるほど」と思うところがあるのだろうけれど、よその人からみれば「また、どうしてそこ?」という部分なのだ。

読んでいると、「え、どうしてここに線?」と個人の楽しみで読んでいる読書に、突然他人が割り込んでくるような感覚があって、気に障るのだ。

しかも今回の本、線を引いているところが、「寄る年波」だけに黄色い蛍光ペンで強調してあったりして独特なのだ。他にも、なぜかあまり良くないような、著者が自嘲するようなところにばかりざわざ蛍光ペンがしっかりとひかれている。

読みにくいな、と思いつつ、読み終わり、さて、これもブックオフに送ってしまおうかと思っていたのだけれど、ちょうど、太鼓の稽古をするための台の高さが足りないので、その高さの足しにしようと仕込んでみた。ちょうどよい高さ。

ただ、私が死んだあと、この始末をする人がこの本を発見してぱらぱらとめくった時、「あら、あのおばあさん、こんなところに線を引いてる」なんて思われるのは心外だなと思う。まあ、死んだあとの事なんて知ったことではないから、いいか。「こんな箇所がしみちゃったのね」と思ってもらう。