7月

7月1日。七月になりました。

暑い(いつも通り)。

割合良く日記に暑い、寒いと書く。たぶん、それが一番の感想なのかも・・・。

「祖母姫ロンドンに行く」がなかなか染みわたる話だったので、二度三度と読む。やっぱりこの祖母殿はなかなかの人物だと思う。特に、人に指導したり、人を使うのにある程度慣れているなと思ったのは、バトラーのティムがお茶請けに梅干しを持ってきたときの、後の処理。相手かなりの好意のがんばりに対する対処がいい。孫殿のように、気持ちがうれしいしと気を遣うのは「違う」というのは、確かに上に立つ人としては正しいと思うし、誠実で親切だと思う。さらに上を目指せる知識と知恵を授ける方がよっぽど親切で、好意に真正面から答える姿勢だから。相手もそれをちゃんと受けられる力量があるので、気分がいいシーンでもある。そして、主人感もある。そのほうが。

一方、孫殿も当時二十代であろうと思われるのだけれど、書いていない部分でいろいろあったのであろうけれど、ちゃんと祖母殿の教えを掬い取って、こうして書けるぐらい覚えている(書いていて思い出した部分もあるらしいが)のが素晴らしい。

それにやっぱりなんだか懐かしい時代もちょっと感じる。私が行ったことがあるロンドンの少し後ぐらいなのではないか、と想像している。三越ロンドン、入ったことはあるはずだし、うっすら覚えているけれど、遥か昔のことで、何か買ったことがあるかどうか・・・覚えていません。当時のこと、私はほとんど覚えていない。ハロッズのアイスが巨大・・・が一番の思い出。うーん。まあ、ほかに本屋さんだとか、電車だとか、羊だとか印象に残っていることが別にあるのですが。あとはピカデリーサーカスのクロネコヤマトとか。うーん。博物館とか、古本屋さんに飾ってあった素敵な絵とか。そんなことばかりしか記憶に残ってない・・・・。ま、私の記憶は置いておいて。

この本を読んでいて、こんな風なアドバイスをくれるような立派な祖母どころか、身内を持ってないので、本を読んだりして疑似体験ではないけれど、いろいろな考え方や姿勢を学ぶことはあるなあと思った本でした。いい本。

この著者の小説は読んだことがないけれど(もともと私はあまり小説を読まない)、エッセイが、なかなか楽しいので、今、Webで連載しているものを楽しみにしている。この祖母殿との旅行に行く前の英国留学時代の話と現在の六甲での暮らしがエッセイとして連載中。読みやすいし、楽しいなあと思って読んでいる。著者はおそらくコミュニケーション能力た高く、チャーミングな人なんだろうなと思う。周りの反応を見ているとそう思う。